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相続手続

葬儀後の手続き

いざご家族が亡くなった場合、「相続の手続きは何から始めたら良いのか分からない」「とりあえず役所に行けばよいの?」など迷われると思います。また、「うちは相続財産なんてないから大丈夫。」と思っている方も、いざ、手続きを進めてみると相続していた以上の煩雑で多岐に渡る手続きが必要になるケースもあります。

年金や公共料金の契約変更から銀行口座の相続、不動産の名義変更、相続税申告等、10人いたら10通りの相続手続きの方法がありますのでご自身に該当するケースを確認しましょう。

<相続手続きの一覧(例)>


健康保険証の返却
介護保険料の還付請求
年金手続き(国民年金・厚生年金・共済年金・企業年金)
公共料金等(電気・ガス・水道・NHK・電話・携帯電話
銀行口座の解約
有価証券の名義変更
自動車の名義変更
不動産の名義変更
生命保険金の請求
保険契約の変更
準確定申告
相続税申告

 

相続手続きの流れと期限

相続手続きは、一般的に相続人の確定→相続財産の確定→遺産分割協議→各相続手続きと進んでいきます。
以下に手続きの流れを記載しますが、この中で特に2つの期限が重要になります。

3か月・・・相続を承認するか放棄をするか判断をする期限

相続財産で返済ができないぐらいの負債がある場合などは相続の放棄をすることができます。この期間が原則として相続の発生から3か月となっていますので、それまでに相続人が誰か、相続財産としての概要はどのようになっているかを確認する必要があります。

10か月・・・相続税の申告及び納税の期限

一定額以上の相続財産がある場合には、相続税の申告をして相続税を納税する費用があります。10か月以内の財産の評価を完了させ遺産分割協議をまとめ税務署に提出をする必要があります。

 

お手続きの流れ

 

各手続きの特徴

戸籍等の相続関係を証明する書類

相続手続きを進めるにあたって必ずといって良いほど提出を求められるのが戸籍です。相続においては戸籍で被相続人が亡くなっていることや相続人が誰であるかを確認します。

また、原則として被相続人の戸籍については、出生から死亡までの全ての戸籍が必要になります。つまり、死亡の記載のある一番新しい戸籍だけではなく、過去の除籍や改正原戸籍という種類のものまで必要になるということです。

これは、亡くなった方の法定相続人の全員を確定させるためで、仮に婚姻歴が複数回あり前の配偶者との間にも子がいる場合や、以前に子を認知している場合には、その子たちも法定相続人に該当することになります。そのような事情があるかないかを確認するのです。

 

預貯金の相続手続き

預貯金の名義人が死亡した場合、金融機関は通常の入出金には対応してくれません。

口座の凍結→相続手続きといった流れで口座を解約し相続人の方が解約金を受け取る形になります。

ただし、ここで「死亡届を役所に出すと銀行口座も凍結されてしまう」と思われている方が多くいらっしゃいますが、決してそうではありません。役所と金融機関は連携していませんので、金融機関が独自に名義人の亡くなったことを知らなければ口座は凍結されることはありません。基本的にはご家族から金融機関に伝えるとタイミングで口座が凍結されることになります。

なお、イレギュラーなケースでは、葬儀の立て看板を見た銀行員が口座と止めてしまったというような話もありますので、言わなければ凍結されないと高を括っているとある日何かをきっかけに凍結されてしまうかもしれません。

<手続き窓口>
各金融機関の支店や相続センター

<必要書類>

  1. 被相続人の戸籍(除籍・改正原戸籍)「出生から死亡まで」
  2. 相続人の戸籍
  3. 相続人の印鑑証明書
  4. 各金融機関の相続手続き用紙
  5. 通帳やキャッシュカード等

相続の方法や各金融機関によって必要書類が異なることがあります。

 

不動産の相続手続き

不動産の名義は法務局の登記簿で管理されています。相続が発生した際には登記の申請をして不動産の登記簿の名義を変更する必要があります。現在、不動産の相続登記は任意で行う手続きですが義務化に向けた改正法案が法制審議会で審議されていますので相続は発生し際にはなるべく早く手続きを済ませておくことが望ましいでしょう。

また、相続登記をしないでいると売却や担保設定ができない、権利関係が複雑になる、というようなデメリットが発生する可能性があります。

実際に相談があった事例でも名義変更をせずに放っておいた土地について複数回にわたり相続が発生してしまい、相続の権利を持った方が20人、30人になってしまっているケースが良くあります。

<手続き窓口>
対象不動産を管轄する法務局

<必要書類>

  1. 被相続人の戸籍(除籍・改正原戸籍)「出生から死亡まで」
  2. 相続人の戸籍
  3. 相続人の印鑑証明書
  4. 相続関係説明図
  5. 遺産分割協議書
  6. 固定資産税の評価書
  7. 登記済権利証(登記識別情報)
  8. 登記簿(全部事項証明書)
  9. 不動産登記の申請書

相続の方法や個別の事情によって必要書類が異なることがあります。

 

相続税の申告

被相続人の相続財産が一定の金額を超えると相続税の申告が必要になります。また、その申告の中で計算をした結果の納税も必要になります。

一定の金額のことを基礎控除といい以下の計算式によって求められます。

3000万円+法定相続人の人数×600万円

逆に言うと、相続財産がこの基礎控除の金額を下回る場合には納税も発生せずに申告も不要となります。

また、相続税には様々な控除や非課税となる制度があり、それを適用することによって申告はするけれども、納税額はゼロになるという方もいます。

相続税は最低税率が10%からの累進課税で最高税率が55%と高額な納税負担を負う可能性があります。

財産の評価方法や控除等の適用により納税額が大きく変わることもあり、また、申告をした方の5.6人に1人は税務調査の対象になるといわれています。その為、相続税の検討が必要な場合は税理士に相談されることをお勧めします。

<手続き窓口>
被相続人の住所を管轄する税務署

<必要書類>

  1. 被相続人の戸籍(除籍・改正原戸籍)「出生から死亡まで」
  2. 相続人の戸籍
  3. 相続人の印鑑証明書
  4. 相続関係説明図
  5. 遺産分割協議書
  6. 金融機関の残高証明書、取引の履歴照会書等
  7. 生命保険の支払い通知
  8. 固定資産税の評価書、路線価図
  9. 葬儀費用の領収書等
  10. 相続税の申請書

    相続の方法や個別の事情によって必要書類が異なることがあります。